森林づくりって

今年の北海道の夏は北海道らしくなく湿気が多く、気温も高い。真夏日が続き、熱帯夜の日までも。クーラーのない家庭は北海道では珍しくない。暑さを凌ぐのが辛い日々が続いています。こんな時は天然クーラーの森の中で涼んでみた方もいるのではないでしょうか。


蒸散作用など植物の持つ機能で涼しく感じられるとも言われていますが、果たしてどうか。全ての森林内が涼しいとは必ずしも言えないでしょうね。

でも、様々な森林形態があれば、いろいろな活用は増えてくるとは思いますが、今の林野行政は循環利用がメイン。一つの考えだけで森林を取り扱うことは危険性がはらんでいることも頭の片隅にはおいて欲しいのですが……


先日開催された北海道の森林審議会を傍聴しましたが、ほとんどの話が循環利用に係ることばかり。確かに産業として考えるにあたっては、木を伐採し使うことがメインになりますが、森林の有する機能が木材生産ばかりではないはず。国民の森林に対するニーズは世論調査などで行われているが、その世論調査は平成23年に実施されて以降行われていない。


行政が考える森林と国民が望む森林の姿。

人工林を伐採し、木を使うことばかりに行政サイドは動いているようだが、もっとどのような森林の姿が望ましいかの再議論を重ねた上で、方向性を見出して欲しいと思うのだが。


今の人工林仕立ては、音楽で表現するとⅠ-Ⅳ-Ⅴ。コードで表せばC-F-G7という単純な進行の曲のようなもの。味もそっけもない曲でつまらないと思われても仕方ないが、「きほんのき」であることは否めないところである。

でも、「きほんのき」の森林づくりばかり目指してもきちんとした道筋、将来的にも未来永劫この「きほんのき」だけを貫けば持続可能な森林経営に繋がるのであれば良いのだが、過去の経過などを踏まえると必ずしも循環利用だけを進めるのは危険なことである。

それではどんな森林づくりを一般所有者が進めていけば良いかというと、その姿は見えてこない。結局お金にならなければ興味を抱いてもらえないというのが現状なのかもしれないから。

お金になる方法が木材生産だけという出口を解消しないとならないが、持ち続ける意味はきちんと伝えないとならない。そのためにもいろいろな曲を描ける人、その曲を理解し人々に伝える人、そのような人材づくりは必須だろう。


単調な曲は売るためには様々な努力をしなければならないし、そのためには厄介なお金を借りたりするケースもあったり面倒なことが多い。

国民が望む曲作り。すなわち森林づくりの種類が豊富であり、選択肢の多い森林づくりに向かってほしいものです。

ようてい木育倶楽部

五感を使って、気付き、そして考える、豊かな人間性を育む「人づくり」、 森や木のことを学び、理解してもらいながら森林を維持する「社会づくり」を推し進めるのが木育の姿。 森や木を通して、持続可能な社会づくりに向けたお手伝いをすることが当倶楽部の仕事です。

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